2011年11月15日

『グローバル・リテイル・セフト・バロメーター2011』発行

日本の小売業におけるロス率は売上高の1.04%に相当し、昨年比4.0%増加
ロス総額は世界で2番目に高く、約96億ドル(7,740億円)

<調査結果 概要>

  • 日本の小売業におけるロス率は世界で 3 番目に低いものの、ロス総額 * は 2 番目に高く、約 96 億ドル( 7,740 億円)に達し、アジアにおけるロス総額の約 53 %を占める。
  • ロスの主要要因は「万引き」で、万引きによる日本の被害額は約 56 億ドル( 4,515 億円)。
  • 日本における小売業犯罪に要するコスト ** は、一般消費者一世帯あたり 185.99 ドル( 1 万 4,996 円)の負担に相当(世界平均は 199.89 ドル( 1 万 6,117 円))。
  • 日本でのロス防止対策費用の割合は売上高の 0.15% に相当(昨年と同じ)。これは世界平均( 0.35% )、およびアジア太平洋地域平均( 0.19% )と比べると、大幅に低い割合。
  • 「組織的な犯罪の増加を経験した」と回答した企業の割合は、世界平均で 47.5 %に達する。

* ロス総額=小売業犯罪によるロス(万引き、組織的な犯罪、従業員による盗難、サプライヤー・業者による不正)+管理上のミス
** 小売業犯罪に要するコスト=小売業犯罪によるロス+ロス防止対策費用

(注)日本円への換算レートは、調査実施時のレートを使用しています( 1 ドル= 80.627 円)。
また、端数処理により合計額が一致しないことがあります。

流通小売業向け商品認識、追跡、セキュリティ、および販売促進に関する包括的なソリューションを提供する世界的な製造・マーケティング企業である、米チェックポイントシステムズ社(日本法人:株式会社チェックポイントシステムジャパン/東京都中央区、代表取締役社長:根塚眞太郎)は、イギリス・ノッティンガムの調査機関であるセンター・フォー・リテイル・リサーチ社により実施された『グローバル・リテイル・セフト・バロメーター 2011 』(邦題『世界の小売業におけるロスと犯罪により発生するコストについての調査』)に出資、このほど、その調査結果が発行されました。

『グローバル・リテイル・セフト・バロメーター』の 2011 年度調査によると、調査対象 43 カ国の小売業におけるロスの総額は約 1,191 億ドル(約 9 兆 6,027 億円)で、売上高の 1.45 %に相当します。ロス率は前年比で 6.6% 増加しており、グローバル規模での調査を開始した 2007 年以降、最も高いロス率となっています(アジア太平洋地域のロス率は 1.22 %、前年比 0.8 %増加)。

「ロス」には、万引き、従業員による盗難、サプライヤー・業者による不正などといった「小売業犯罪によるロス」と、価格のつけ間違いなどといった「管理上のミス」が含まれます。 2011 年 6 月までの直近 12 ヶ月間における小売業のロス率は、全調査対象地域で増加しており、最も大幅に増加した地域はヨーロッパでした(前年比 7.8 %増)。

ロスの最も大きな要因は、組織的な犯罪を含む「万引き」で、世界での被害額は約 515 億ドル( 4 兆 1,523 億円)でロス要因の 43.2 %を占めており、昨年よりも増加しています( 2010 年は 42.4 %)。次に主要な要因は「従業員による盗難」で、被害額は約 417 億ドル( 3 兆 3,621 億円)、 35.0 %となっています。

アジア地域では、ロス要因の半数以上( 53.3 %)が「万引き」によるものであり、約 97 億ドル( 7,821 億円)となっています。しかし、「従業員による盗難」の1件あたりの平均被害額は、 347.00 ドル( 2 万 7,978 円)で、万引きによる被害額( 75.70 ドル( 6,103 円))の 4 倍以上となっています(世界平均では 8 倍以上)。

この調査を取りまとめたセンター・フォー・リテイル・リサーチ社のディレクター、ジョシュア・バムフィールド教授は次のように述べています。「小売業に対する犯罪について、害のないもの、興味深い社会現象、単にビジネスをする上で必然的に発生するコストといった見方があります。しかしこのような見方は、犯罪組織の影響、従業員や顧客に対する暴力の激化、小売業に対する多くの犯罪、薬物、不正、恐喝との関係を見逃すことになります。さらに、小売業におけるロスは、最終的には一般消費者が負担することにもつながります。これを全調査対象国の一般消費者一世帯あたりに換算すると、 199.89 ドル( 1 万 6,117 円)、アジア地域では 115.22 ドル( 9,290 円)の負担が課せられているのに相当します。」


 「ロス防止対策費用」と「ロス」の相関関係
今回の調査では、小売企業はロス防止対策費用を前年比 5.6 %増加し、約 283 億ドル( 2 兆 2,817 億円)で、売上高に対する割合は 0.35 %でした。その一方で、この費用の内訳をみると、設備投資が占める割合がわずかに減少しています( 2010 年 31.1 %、 2011 年 30.9 %)。これにより、盗難の逮捕者数が減少したという結果につながった可能性があります。また、売上に対するロス防止対策費用の割合が減少したヨーロッパ地域では( 2010 年 0.32 %、 2011 年 0.30 %)、ロス率は他のどの地域よりも増加しました(前年比 7.8 %増)。

さらに、バムフィールド教授は次のコメントを追加しています。「調査に回答いただいた上位 50 の企業のうち、前年よりもロスの削減に成功した企業は、ロスを単なる盗難の問題として扱うのではなく、万引き、従業員による盗難、サプライヤー・業者による不正、管理上のミスについて、計画的に対抗するためのオペレーションを通じてロス削減に取り組んでいます。これら企業の店舗のうち、 96 %が店舗監査プログラムを導入しており、適切なロス防止対策がとられているかモニタリングを行っています。さらに、これらの小売企業ではロス防止対策費用を前年よりも増加させていますが、その増加率は世界平均のおよそ2倍であることがわかりました。」

また、チェックポイントシステムズ社のシュリンク・マネジメント・ソリューションの責任者であるファルーク・アバディ( Farrokh Abadi )は次のように述べています。「この1年、世界の経済成長は停滞状況にありました。このため小売企業では、他のロス防止対策と同じ割合で設備投資の増加を行いませんでした。ロスが増加したのは、この理由によるものではないかと考えられます。バムフィールド教授が説明しているように、ロスの削減に成功している企業は、包括的なロス防止ソリューションに賢明に投資しています。」


 国別 小売業のロス率
最もロス率が高かった国はインド(ロス率 2.38% )、ロシア( 1.74 %)、モロッコ( 1.72 %)で、最も低かった国は台湾( 0.91% )、香港( 0.95 %)、スイス、日本、オーストリア( 1.04 %)でした。アジア太平洋地域の平均ロス率は 1.22 %でした。


 業種別ロス率(アジア地域)
業種によってロス率にはばらつきがあります。本年の調査においてロス率が高かった業種は、
・化粧品/医薬品/ヘルス&ビューティー/香水 ( 1.75 %)
・アパレル/アクセサリーショップ ( 1.74 %)
・ビデオ、ミュージック、ゲームソフト ( 1.64 %)

 特にロス率が高い商品ライン(アジア地域)
小型で、持ち運びがしやすく、換金性の高いものが「盗難被害の多い商品」として挙げられています。
アジア地域において、特にロス率の高いヘルス&ビューティーの商品ラインは、
・ シェービング用品 ( 2.64 %)
・ 香水 ( 2.60 %)
・ 口紅、グロス ( 2.50 %)

また、食料品においては、高級海産物・魚( 2.21 %)、酒類( 1.84 %)、精肉( 1.83 %)のロス率が高く、アパレルではアクセサリー( 1.74 %)が盗難されやすい商品として挙げられています。

 

日本のハイライト

 小売業のロス率、ロス額
日本におけるロス率は、前年比 4.0 %増加し、売上高の 1.04 %に相当します( 2010 年は 1.00 %)。ロス率は世界で3番目に低いものの、金額でみると約 96 億ドル( 7,740 億円)に達しています。これは、アメリカに次いで世界で 2 番目に高く、アジアにおけるロス総額の約 53 %を占めています。

 ロスの要因
日本における主要なロスの要因は「万引き」で、約 56 億ドル( 4,515 億円)に達しており、ロス要因の 58.1 %を占めています。次に大きな要因は「従業員による盗難」で、ロス要因の 18.5 %を占めています。

・ 万引き 約 56 億ドル( 4,515 億円)  58.1 %
・ 従業員による盗難 約 18 億ドル( 1,451 億円)  18.5 %
・ サプライヤー・業者による不正 約 7 億ドル( 564 億円)  6.9 %
・ 管理上のミス 約 16 億ドル( 1,290 億円)  16.5 %
・ (上記計)ロス総額 約 96 億ドル( 7,740 億円)  100.0 %

 ロス防止対策費用
日本におけるロス防止対策費用は約 14 億ドル( 1,129 億円)で、売上高の 0.15 %に相当します。この割合は昨年から変動ありませんが、アジア太平洋地域で 2 番目に低い割合です。なお、アジア太平洋地域の平均( 0.19 %)についても、世界平均( 0.35 %)を大きく下回っています。

 小売業犯罪に要するコスト
日本における小売業犯罪に要するコスト(小売業犯罪によるロスと、ロス防止対策費用の合計)は、約 95 億ドル( 7,660 億円)に達します。これらのコストは、最終的には一般消費者が負担することにつながります。日本では一般消費者一世帯あたり 185.99 ドル( 1 万 4,996 円)の負担に相当します(世界平均は 199.89 ドル( 1 万 6,117 円))。

・ 万引き 約 56 億ドル( 4,515 億円)
・ 従業員による盗難 約 18 億ドル( 1,451 億円)
・ サプライヤー・業者による不正 約 7 億ドル( 564 億円)
・ ロス防止対策費用 約 14 億ドル( 1,129 億円)
・ (上記計)小売業犯罪に要するコスト 約 95 億ドル( 7,660 億円)

 

調査について
『グローバル・リテイル・セフト・バロメーター( GRTB )』は、イギリスのノッティンガムにあるセンター・フォー・リテイル・リサーチ社が実施し、チェックポイント社が協賛している年次調査です。初めて発行されたのは 2001 年で、当初はヨーロッパのみを対象としていましたが、 2007 年より調査対象地域を世界に拡大しました。 2011 年版はヨーロッパ版から数えて第 11 版となり、現在この調査は、世界の小売業における盗難および犯罪の総合的調査としては最大規模のものです。調査対象国は、アメリカ、中国、インド、ヨーロッパ、日本、オーストラリアを含む 43 カ国が対象となっており、今回より新たに韓国が調査対象国に追加されました。調査データは、国や業種を代表する主要小売企業 1,187 社から提供された機密性の高いデータに基づいており、その店舗総数は 25 万 1,895 店舗、売上高合計は約 9,860 億ドル(約 79 兆 4,982 億円)におよびます。

センター・フォー・リテイル・リサーチ社( Center for Retail Research CRR
『グローバル・リテイル・セフト・バロメーター』は、センター・フォー・リテイル・リサーチ社( Centre for Retail Research )( http://www.retailresearch.org )のディレクターであるジョシュア・バムフィールド教授が作成し、チェックポイントシステムズ社が協賛しています。センター・フォー・リテイル・リサーチ社は、小売業に向けて調査・コンサルタントを提供する独立した機関です。犯罪が与える損失のほか、店舗での窃盗・不正対策として活用されている電子コンピューター・システムの利用について、世界各地でさまざまな調査を実施しています。

チェックポイントシステムズ社
チェックポイントシステムズ社は、シュリンク・マネジメント、マーチャンダイズ・ビジビリティ、およびアパレル・ラベリングの各ソリューションにおけるグローバル・リーダーです。チェックポイント社は、小売業およびそのサプライヤーにおけるロスの削減、店頭在庫の拡充とともに、リアルタイムの各種店舗データの利用による優れた経営の実現をサポートしています。チェックポイント社のソリューションは、 40 年にわたる RF テクノロジーの専門知識、多様なシュリンク・マネジメント製品、広範なアパレル・ラベリング・ソリューション、市場をリードする RFID アプリケーション、盗難されやすいハイロス商品に対する革新的なソリューション、および Web ベースのチェック・ネット・データマネジメント・プラットフォームに基づいて構成されています。
その結果、チェックポイント社のお客様は、サプライ・チェーンの効率性の改善、オンデマンド・ラベル印刷の促進、および消費者の満足度を向上させるセキュアなオープン・マーチャンダイジング環境の実現により、売上高および利益の増大を実感することができます。チェックポイント社は、ニューヨーク証券取引所( NYSE:CKP )に上場しており、世界の主要な地域で事業を展開、従業員は 5,700 人に達します。詳細情報は、 http://www.checkpointsystems.com をご参照ください。